「ほめるも不可、悪口も不可」

◆菜根譚(さいこんたん)「儒仏道を融合した人生の書」

「ほめるも不可、悪口も不可」

仮に相手が立派な人物でも、まだそれほど
親しくないうちは、うかつに誉めないほうがよい。
なぜなら、仲をさこうとあらぬ告げ口をする
者がでてくるからだ。

湧いてが悪党だと気づいていても、まだ排除
できないうちは、うっかり悪口など言わないほ
うがよい。なぜなら、罠をしかけられて陥れら
れる恐れがあるからだ。

●この一節もまた、明哲保身の術のひとつ
である。世故、人情に対する深い洞察から
生まれたものであろう。きびしい人生のなかで
身の安全を保つには、このような配慮と慎重
な処世が望まれるのである。

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