「不満を抱かない」
「不満を抱かない」 仏家のいう「縁にまかせる」こと、儒家のいう 「地位に安んじる」こと。この二つは、人生の 海を渡る上で欠かすことのできない浮き袋で ある。 人生の海は広々として果てしがない。満足を 得ようとすれば、かえ…
「不満を抱かない」 仏家のいう「縁にまかせる」こと、儒家のいう 「地位に安んじる」こと。この二つは、人生の 海を渡る上で欠かすことのできない浮き袋で ある。 人生の海は広々として果てしがない。満足を 得ようとすれば、かえ…
「心の動揺を押さえる」 自然の暑さ寒さには対処することもできようが、 ころりと変わる人情はいかんともしがたい。だが、 それよりも始末が悪いのは、わが心の動揺だ。 心の動揺さえ押さえることができれば、全身に 和気が満ちあふ…
「減らすことを考える」」 この人生では、何ごとにつけ、減らすことを 考えれば、それだけ俗世間から蛙抜け出す ことができる。 たとえば、交際を減らせば、もめ事から免れる。 口数を減らせば非難を受けることが少なくなる。 分別…
「第三者の立場に」 激浪が逆巻く荒海でも、舟に乗っている者はその 恐ろしさに気づかず、陸で見ている者のほうが、か えってはらはらしているものだ。 酔っぱらった男がわめきちらしていても、仲間の連中 は平気な顔をしており、は…
「寺も俗界と変わらない」 みだらな女が男狂いの果てに尼となり、功名に はやる男がヤケをおこして仏門に入る。かくて 神聖であるべきはずの寺までが、みだらな女や ヤケ男の巣窟と化してしまうのである。 ●仏門に入ったものの、す…
「人生の落とし穴」 分に過ぎた幸運、理由のない授かりものは、神様の 誘いの餌か、あるいは、人生の落とし穴だ。よほど 志を高くして対処しなければ、たちまち彼らの術中に はまってします。 ●仕掛ける者は悪いにきまっているが、…
「花は五分咲き」 花を見るなら五分咲き、酒を飲むならほろ酔いかげん このあたりに最高の趣がある。満開の花を見たり、酔い つぶれるまで飲んだりしたのでは、まったく興ざめだ。 満ち足りた境地にある人は、このことをよく考えてほ…
「心しだいで苦海となる」 名誉や利益にとらわれた人々は、しきりに「この世は 汚れている。苦しみの海だ」とこぼしている。 だが、雲は白く、川は流れ、石はそそり立ち、花は 咲き、鳥は鳴き、谷はこだまし、木こりは歌う、そんな …
「心に影を留めない」 耳に聞こえる雑音は、谷にこだまするつむじ風のような もの。過ぎ去ってしまえば、もはや、是も非も残らない。 心に浮かぶ雑念は、池に映る月影のようなもの。心を 空にしてしまえば、もはや、物も我も影を留め…
「喜びも悲しみも忘れる」 子どもが生まれるとき、母親の生命は危険に さらされる。財産が多くなれば、それだけ泥棒 に狙われる。どんな幸せも不幸のタネにならな いものはない。 貧乏だと極力ムダ使いを避けるし、病気がちだと ふ…
「ものみな真理の門」 心本来の姿を見失うのは、多くの場合、雑念に よって揺れ動いているからである。無心になって、 一人静かに座っていれば、流れる雲にゆったりと 身を託すこともできるし、雨の雫に心を洗うことも できる。また…
「暇すぎても忙しすぎても」 あまり暇がありすぎても、つまらない雑念が 頭をもたげてくるし、あまりに忙しすぎれば、 こんどは本来の自分を見失ってしまう。 してみると君子たるもの、一面では心身の 苦労はあったほうがいいいし、…
「無為にして化す」 徹底して悟りを開いた人は、万物をあるがままの 姿において発展させる。万民の心をもって天下を 治める人は、この苦しみの世界をそのまま楽土に かえる。 ●自分を「無」にしてかかるから、こういうことも でき…
「物に使われない」 月や風、花や柳がなかったら自然は成り立たない。 欲望や嗜好がなかったら心は成り立たない。 ただし、肝心なのは、物を使っても物に使われない、 しっかりした自分を確立しておくことだ。そうすれば、 嗜好や欲…
「心の広い人、狭い人」 心の広い人にとっては、何万石の高禄も素焼きの 土器ほどの価値もない。 心の狭い人にとっては、髪一筋ほどの些細なことも 車輪のように重く感じられる。 ●心の持ち方ひとつで、こうも違うのである。 <ス…
「心の洗濯」 高い山に登れば心が広々としてくるし、川の流れに 見入っていると俗塵を脱したような心境になる。 雨や雪の夜に書物を読めば心が洗われるし、小高い 丘で詩を口ずさめばひとりでに気持がはずんでくる。 ●時にはこんな…
「ひとしおの風情あり」 雨あがりに眺める山は、ふだん見るよりいっそう 新鮮に感じられる。夜ふけに聞く鐘の音は、いつ にもまして澄んでいる。 ●これを目にし耳にすると、心も洗われるにちがい ない。 <スポンサーリンク>
「冬来たれば春近し」 草木が枯れ出すころ、根もとにはすでに新しい 芽生えが始まっている。凍てつく寒さがが来れば 陽気の訪れも遠くない。 ものみな枯れはてたなかにも、常に生き生きとした 生命が宿っている。これこそが自然の心…
「ねばり強く、機を待つ」 縄でも、長いあいだこすり続ければ木を断ち 切るし、水滴も、時間をかければ石を穿つ。 道を学ぼうとする者も、このようなたゆまぬ 努力を心がけなければならない。 水が流れればおのずと溝ができ、瓜の実…
「心の持ち方によって」 幸福も不幸も、すべて心の持ち方から 生まれてくる。 釈迦も語っている。 「欲望が燃えさかれば、この世は焦熱地獄。 貪欲に落ち込めば、人生は苦しみの海。心 さえ清らかになれば、燃えさかる炎も涼しげな…
「動も静も忘れ去る」 喧噪を嫌って静寂を求めるには、人を避けるのが いちばんだと思われているらしい。だが、人を避け ようとするのはまだ自分にとらわれている証拠であり 静寂に執着するのは、すでに心に動揺が兆してい る証拠で…
「ことさらに求めない」 心に妄念がなければ、あらためて心を見つめる 必要はない。釈迦の説くような心を見つめる修 行は、かえって妄念をつのらせるだけである。 万物は根源においては一体であるから、あらためて 斉同性を問題にす…
「人生もかくの如し」 役者は、紅おしろいを塗りたくり、刷毛の先で 美人や醜婦になりすます。だが、芝居がはねて しまえば、もはや美人も醜婦もない。 碁打ちは、先手後手を争い,一手一手に鎬を 削る。だが、ケリがついてしまえば…
「知者は未然に知る」 病気になってから健康のありがたさに気づき、 戦乱の世になってから泰平の世のありがたさが わかる。これでは、先見の明があるとは言えない。 幸福を願いながらも、それが不幸のもとになる ことを見抜き、生を…
「悠々たる態度」 しっかりと自分の立場を確立して外物に支配 されなければ、成功したところで有頂天になる こともないし、失敗したところでくよくよすることも ない。この世界、どこへ行っても悠々たる態度で 対処することができる…