「人の心は始末におえない」
「人の心は始末におえない」
滅亡して廃墟と化した西晋の都は、茨が
ぼうぼうと生い茂っている。それを目の当た
りにしながら、それでも人々は戦いをやめよ
うとしない。
やがて死ねば北ぼうの墓地に葬られて、狐
や兎の餌食となる運命にある。それを知り
ながら、それでも人々は利益にこだわり続ける。
古語にも「どんな猛獣でも飼いならせるが、人
の心だけは始末におえない。どんな深い谷間で
も埋めつくせるが、人の心だけは満たせない」
とあるが、まったくそのとおりである。
●洛陽の北にぼう山と呼ばれる丘陵があり、遠く
黄河の流れを望むことができる。「死は北ぼうに
在り」と称され、ここの墓地に葬られることが貴人
たちの願いであった。しかし、今、行ってみると、
一面の麦畑になっていて、人生のむなしさが思わ
れてくる。
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<!– 禍福はあざなえる縄のごとし –>
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