「多弁の落とし穴」

2020年10月18日◆菜根譚(さいこんたん)「儒仏道を融合した人生の書」

「多弁の落とし穴」

十回予想を立てて9回的中させたとしても
誉められるとは限らない。一回でもはずれれ
ば、たちまち非難にさらされる。

十回作戦を立てて九回成功させたとしても
功績を認められるとは限らない。一回でも
失敗すれば、たちまち批判を浴びる。

君子が多弁よりも沈黙を選び、さかしらより
も無能をよそおうのは、そのためである。

●多弁なるが故に失敗した例は枚挙にいと
まがない。「老子」には「多言なれば、しばしば
窮す」とあり、「荘子」にも、「大弁は言わず」と
ある。孔子も、「君子は弁舌がさわやかである
よりも、実践において勇敢でありたい」(論語)
と多弁の愚を戒めている。

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