「自他を見比べる」
「自他を見比べる」
人の境遇はさまざまであって、恵まれている者
もいれば恵まれていない者もいる。それなのに
どうして自分一人だけすべての面で恵まれるこ
とを期待できようか。
自分の心の動きもさまざまであって、道理にか
なっているばあいもあればかなっていない場合も
ある。それなのに、どうしてすべての人々を道理
に従わせることができようか。
自他を見比べながらバランス感覚を働かせる
のも、処世の便法なのである。
●道理についても、他人の振り見て我が振り
直すようにつとめれば、あまり腹も立たなくなる
のではないか。