「自分の存在すら忘れる」

2020年10月18日◆菜根譚(さいこんたん)「儒仏道を融合した人生の書」

「自分の存在すら忘れる」

悟りの境地に達すれば、琴や笛はなくても
心を楽しませ。香や茶はなくても心を清らか
に保つことができる。

このような境地に達するには、いっさいの雑念
を捨て、分別はおろか自分の存在さえ忘れ
てしまうことだ。そうなってこぞ初めて、悟りの
境地に遊ぶことができるのである。

●この一節は荘子のいう「座忘(ざぼう)」の境地
を思わせる。「座忘」とは、自他の区別を忘れ、無心
になりきって、自然のリズムと一つになることだという。

<スポンサーリンク>