どんなことでも、どんな仕事でも それを必要とする人がいるからこの世に存在するのです。
『人に影響を与える人に・・』
「人間は所詮、寿命がある 。でも文字にはそれがない。
遠い将来の若者たちが、僕の作品を読んで何かを感じてくれる。
こんな嬉しい事はない」
これは、『吾輩は猫である』などの作者、夏目漱石の言葉です。
夏目漱石が自分の仕事に対する考えを語ったものですが
「仕事とは何のためにするのか」という問いに、
これほど意義深く、明確に答えた言葉はないと思います。
没後100年を超える今、
『吾輩は猫である』や『こゝろ』などの作品を
当たり前に触れる私たちの姿を見て、
夏目漱石は天国でどのように感じているのでしょうか。
歴史上の人物をみると、肉体は滅びたとしても、
「志」や「生き様」は脈々と後世に受け継がれ、
時代を超えて、多くの人々の生き方に
影響を与える力を持っているということを知っています。
それは、私たち人間の最も崇高な部分の一つかも知れません。
夏目漱石は、文学の中にそれを見出したのです。
晩年、漱石の妻が彼の執筆活動を横で見た時に、
「命を削るような壮絶な仕事ぶりだった」という
趣旨の言葉を残しています。
自らが創りだす物語が永遠の命を持つように、
との想いで自らの命を削って仕事をしたのでしょう。
私たちは、自分自身の
「仕事」を通じて・・、
「生き様」を通じて・・
周りの人々に「何か」を残しているのです。
自らの「志」が、今は全く知らない未来の人々に、
何らかの影響を与えることが出来たとしたら
それは、大変、「幸せな人生」となるのではないでしょうか。
また、そのような仕事をしていきたいとは思いませんか。
そのためには、仕事と真正面から向き合うしかありません。
その愚直で真摯な姿勢が、
自分の人生を、一つの『作品』へと昇華させるのです。
だから、自分の仕事には誇りを持って取り組んでみませんか。
どんなことでも、どんな仕事でも
それを必要とする人がいるからこの世に存在するのです。
誇りを持って、真正面から真剣に取組む。
その姿勢が人を共感させ、感動させ、エネルギーを与え、
影響を与えるのです。
それを支えるのが言葉です。
「この仕事は私に与えられたの使命」
「この仕事こそ私の天職」と言葉に出して
今に全力投球しましょう。