「ささやかな暮らしでも」

◆菜根譚(さいこんたん)「儒仏道を融合した人生の書」

「ささやかな暮らしでも」

狭苦しい部屋にすんでいても、いっさいの心配事
を捨て去ることができれば、高桜の屋根をかすめて
飛ぶ雲や珠のすだれに降りかかる雨など眺めなく
とも、自然の趣を味わうことができる。

少々杯をかさねても、天地の真理さえ悟ることが
できれば、月の下で安物の琴をかなで、小さな笛
を吹いて風に和すだけで、人生の楽しみを知るこ
とができる。

●唐代の詩人賀知章も、「みだりに酒をかうを愁うる
なかれ、嚢中自ら銭あり」とうたっている。

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