「足るを知る」
「足るを知る」
眼の前にあるすべてのことは、満足することを
知っている者には理想の世界である。だが、
満足をすることを知らない者にとっては世俗
の世界にすぎない。
世のなかを動かしている内在的な働きは
うまく使えばあらゆるものを生かすことがで
きる。だが、使い方を誤るとかえってガタ
ガタにしてしまう。
●「老子」にも、「禍は足るを知らざるより大なる
はなく、とがを得るを欲するより大なるはなし。
故に足るを知るの足るは常に足る」とある。
足るを知るとは、何かを得てそれに満足すること
ではなく、あるがままの現実に常に満足すること
だという。