坦蕩々(たんとうとう)と生きる
『人生を大成させるための心得』
「順境にいても安んじ、逆境にいても安んじ、
常に坦蕩々(たんとうとう)として苦しめるところなし。
これを真楽というなり。
萬の苦を逃れて、真楽を得るを学問のめあてとす」
これは、江戸時代初期の陽明学者、
中江藤樹(なかえとうじゅ)の言葉です。
「順境の時、人はつい慢心しがちになる。
順境にあっても傲慢(ごうまん)にならず、
謙虚に心を落ち着かせ、
逆境の時もへこたれず、心が安定している。
どんな状況でも心が平(たい)らかでゆったりとし、
状況に振り回されない。
それを真の楽しみという。
この真の楽しみを得るために、
そういう人物になるために学ぶのだ」と
藤樹は学ぶことの大切さを説いています。
人生は、順逆の連続です。
順逆をこえるとは、
坦蕩々(たんとうとう)と生きる
人生を大成させた人は、
一様に、この要訣(ようけつ)を体得した人でしょう。