「人の心は始末におえない」

2020年10月18日◆菜根譚(さいこんたん)「儒仏道を融合した人生の書」

「人の心は始末におえない」

滅亡して廃墟と化した西晋の都は、茨が
ぼうぼうと生い茂っている。それを目の当たり
にしながら、それでも人々は戦いをやめようと
しない。

やがて死ねば北ぼうの墓地に葬られて,狐や
狸の餌食となる運命にある。それを知りながら
それでも人々は利益にこだわり続ける。

古語にも、「どんな猛獣でも飼いならせるが、
人の心だけは始末におえない。どんな深い谷間
でも埋めつくせるが、人の心だけは満たせない」
とあるが、まったくその通りである。

●洛陽の北にぼう山と呼ばれる丘陵があり、遠く
黄河の流れを望むことができる。「死は北ぼうに
在り」と称され、ここの墓地に葬られることが貴人
たちの願いであった。しかし、今行ってみると、一面
の麦畑になっていて、人生の空しさが思われてくる。

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