「素朴な味」

◆菜根譚(さいこんたん)「儒仏道を融合した人生の書」

「素朴な味」

ゆったりした気分は、味の濃い美酒が飲める
ような生活からは得られない。それはかえって
茶も飲めず豆がゆしかすすれない貧しい生活
のなかからは生まれるのである。

物のあわれを感じる心は、人間味を失った
静寂のなかからは生まれてこない。それは、
素朴な管弦の調べのなかから生まれてくる
のである。

これで明らかなように、濃厚な味は長続き
しない。素朴のなかにこそ真の味わいがある
のだ。

●料理と同じように、人生もまた素朴な暮らし
のなかに味わいがあるのだという。

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