「動も静も忘れ去る」
「動も静も忘れ去る」
喧噪を嫌って静寂を求めるには、人を避ける
のが一番だと思われているらしい。だが、人を
避けようとするのはまだ自分にとらわれている
証拠であり、静寂に執着するのは、すでに心
に動揺が兆している証拠ではないか。
これでは、とうてい「自他を区別せず、物も
静も忘れ去る」境地にまで達することはでき
ない。
●生も死も、有も無も、動も静も、ともに
超越して二つとも忘れてしまうことを『両忘」と
いう。禅語としても使われるが、出典は「荘子」
らしい。