「一歩高みに立つ」
「一歩高みに立つ」
自分を陶治するには、人よりも一歩高みに
立たなければならない。さもないと、ホコリの
なかで着物を払い、泥のなかで足を洗うよう
なもので、とうてい人格の向上には留めない。
人と交わるには、相手に一歩譲る心構えが
ほしい。さもないと、灯にとびこむ蛾や垣根に
角をとられた羊のように、たちまち進退きわまっ
てしまう。安易な生活など望むべくもない。
●「垣根に角をとられた羊」とは、向こう見ずな
猪突猛進の愚を戒めたものであることは、言う
までもない。