「生きとし生けるもの」

◆菜根譚(さいこんたん)「儒仏道を融合した人生の書」

「生きとし生けるもの」

鶯の声を聞くと、いいなあと思い、蛙の声を
聞くと、うるさいと感じる。花を見れば、植えて
みようかと思い、雑草を見れば、抜いてしま
おうとする。これが人情だ。

しかしこれは、上っ面にだけとらわれた見方に
すぎない。内面的な価値に即して見れば、生
きとし生けるもの全てが、天から授かった本性
のままに鳴き、そして生きているのである。

●これを感得するには、心眼と心耳を必要と
することは言うまでもない。

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